○大曲仙北広域市町村圏組合消防本部災害対策用無人航空機(UAV)運用規程

平成28年4月1日

訓令第6号

(目的)

第1条 この規程は、災害時に安全かつ効果的に災害対策用小型無人航空機(以下「災害用UAV」という。)を運用するために必要な事項を定め、災害発生時等における迅速な状況把握、効果的な消防力配備及び災害による被害の拡大防止を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この規程における用語の定義は、次に掲げるものとする。

(1) 無人航空機 遠隔操縦、コンピューター制御等によつて飛行する人が搭乗していない航空機をいう。

(2) UAV 無人航空機の一般的な呼称であり、英記Unmanned Aerial Vehicleの頭文字をとつたもの。ドローン(Drone)とも呼ばれる。

(3) 操縦 災害用UAVを飛行させ、また、装備された機能を使用することをいう。

(4) 操縦員 災害現場等において災害用UAVを操縦する者をいう。

(5) 航法装置 操縦員の目視誘導に頼らず、無人航空機自体が自律的に飛行できるようになる制御システムのことをいう。

(運用部隊)

第3条 災害用UAVは、消防本部及び各消防署の指揮隊が主として運用するものとする。

2 前項の運用ができない場合は、支援小隊を編成し運用させることができる。

(運用管理)

第4条 災害用UAVの運用管理者は、消防次長とする。

2 運用管理者は、災害用UAVの維持管理及び災害、訓練、警防調査等における運用管理を統括する。

3 運用管理者は、安全飛行、操縦員の運用技術向上、災害出動隊との連携、操縦員育成等を目的とした訓練を計画し、実施させるものとする。

(運用責任)

第5条 災害用UAVの運用責任者は、消防本部にあつては警防課長、消防署にあつては消防署長とする。

2 運用責任者は、災害用UAVを災害、訓練、各調査等において安全かつ有効に運用させるものとする。

3 運用責任者は、運用管理者の計画により、月2回以上操縦訓練を実施するものとする。

4 運用責任者は、災害用UAVで撮影した映像、画像等を保存するものとする。

(操縦員)

第6条 操縦員は、別紙1に定める作動点検操縦要領を実施し、安全飛行に適当と認められる者から運用責任者が指名する。

2 操縦員は、災害用UAVの維持管理及び災害、訓練、各調査等における操縦を行う。

(災害時における運用)

第7条 災害時において、現場指揮者は次に示す各項により必要と認められた場合、災害用UAVを運用できるものとする。

(1) 各種災害時における上空等からの空撮による状況把握が必要な場合

(2) 消防活動がより効果的になると認められる場合

(3) 他の災害出動隊と連携することが必要と認められる場合

(4) 火災原因調査

(5) その他必要とする場合

2 前項各号に掲げる運用については、現場指揮者の判断で行うものとし、それ以外の者が勝手に判断し運用させてはならない。

3 操縦員は、現場指揮者の指揮の下に災害用UAVを操縦しなければならない。

4 現場指揮者は、災害時に災害用UAVを運用した場合には、出動報告書に運用内容を添え、運用管理者に報告するものとする。

(訓練時における運用)

第8条 訓練責任者は、訓練に際し、公園又は河川等での飛行が必要な場合は、その場を管理する者の許可を得たうえで実施するものとする。

2 訓練操縦を行う者は、訓練責任者の指揮の下に災害用UAVを操縦しなければならない。

3 訓練責任者は、訓練の実施結果を運用責任者に報告しなければならない。

4 訓練時、次条に定める安全管理を実施するほか、「災害用UAV訓練中」と記載された標示板を掲げて周囲に周知させるものとする。

5 必要に応じ、関係機関及び周辺住民への広報を行うものとする。

(各調査時等における運用)

第9条 運用責任者は、火災原因調査(災害時を除く)、警防調査等で災害用UAVの運用が必要と認められる場合は、部隊を編成し現場に出向させることができる。

2 操縦員は、当該調査等の上席者の指揮の下に災害用UAVを操縦しなければならない。

3 必要に応じ、関係機関及び周辺住民への広報を行うものとする。

(運用時における安全管理)

第10条 現場指揮者及び訓練責任者は、災害、訓練、警防調査等により災害用UAVを運用させる場合には、次に掲げる安全管理を徹底しなければならない。

(1) 運用前に機体の点検を十分させること。

(2) 運用は指揮者1名、操縦員1名、安全管理員1名以上とする。

(3) 運用前に必ず拡声器等で広報を実施し、周囲に注意喚起を促すこと。

(4) 災害用UAVが操縦不能となつた場合に備え、人身及び物件に被害を及ぼさないように周囲の安全を確保すること。

(5) 原則、目視で災害用UAVが確認できる範囲の飛行運用を徹底すること。

(6) 運用場所周辺の風の状況を確認し、操縦不能となるような強風下では運用しないこと。

(7) バッテリー切れによる墜落を防止するために、残量を常に確認させながら運用させること。

(8) 運用時間を記録すること。

(9) その他現場状況により安全運用に必要な措置を講ずること。

(運用の制限)

第11条 航空法に規定されているもののほか、運用管理者、運用責任者及び第7条から第9条において運用を指揮する者は、次の場所及びその上空では運用させてはならない。

(1) 交通が遮断されていない高速道路及び幹線道路並びにその周辺

(2) 軌道敷内とその周辺(運行時間外、運休時はこの限りではない。)

(3) 発電、変電関連施設とその周辺

(4) 安全が確保されていない公園、催し物会場等

(5) 群衆

(6) 密集地域

(7) その他危険と判断される場所

2 災害時を除き、災害用UAVの運用により第三者のプライバシーを侵害するおそれのある場合には、運用させてはならない。

(航法装置)

第12条 航法装置を使用する場合は、機体の取扱説明書に従い安全な航路を設定するものとする。

(維持管理)

第13条 操縦員は、次の点検整備を実施するものとする。

(1) 運行前点検 外観点検、動作点検及びバッテリー充電確認

(2) 運行後点検 外観点検

(3) バッテリーの保守管理

(4) 破損・劣化部品の交換

2 操縦員は前項による点検整備の結果を様式1に記録すること。

(応援等)

第14条 消防長は緊急消防援助隊派遣及び各種災害応援協定等により災害用UAVの応援の要請があつた場合は、積極的に応じるものとする。

2 前項に定めるほか、構成市町より災害対策上必要な調査、催物等に対する災害用UAVの派遣要請があり、消防長が消防業務と認めた場合は、要請に応じるものとする。

3 第10条に定める安全管理体制を確保できない場合及び第11条に定める場合は、要請に応じないものとする。

(保険)

第15条 墜落等の事故に備え、損害保険に加入するものとする。

(その他)

第16条 災害UAVの運用に関し、この規程に定めのない事項については、別に定める。

この規程は、平成28年4月1日から施行する。

別紙1(第6条関係)

災害対策用UAV作動点検操縦要領(2名1組で実施)

◇点検確認事項◇

① 機体にプロペラを取付ける。「プロペラよし

② 機体にバッテリーを付ける。「バッテリーセットよし

③ 送信器にモニターをセットする。「モニターセットよし

④ 送信器バッテリー確認「送信器バッテリーよし

⑤ 機体バッテリー確認「機体バッテリー残量よし」※押して確認

⑥ モニターバッテリー確認「モニターバッテリー○○% よし

◇離陸前準備◇(注意:順序は必ず守ること!!)

① 送信器の電源オン

② 機体の電源オン(2度押し、1度目は軽く、2度目は長押し)

③ モニターアプリケーション立ち上げ

④ モニターは安全飛行の合図を出しているか確認

(緑色ランプは付いているか・・GPSが正常なら緑ランプが点灯)

◇離陸前安全確認から操作確認◇

1 機体を自動離陸させる(5秒の停止確認)

周囲の安全半径5m以上よし」「自動離陸開始」「離陸よし」「停止1、2…5秒、停止よし※ここで機体やカメラのピクつきや異常振動が無いかを確認する

2 機体を5mまで上昇させる「5m上昇よし

① 20m前進して5秒停止「20m前進、停止1、2…5秒、停止よし

② 20m後退して5秒停止「20m後進、停止1、2…5秒、停止よし

③ 自動着陸「自動着陸開始。着陸よし

3 「自動離陸開始」「離陸よし

① 機体を5mまで上昇させる「5m上昇よし

② 20m前進して5秒停止「20m前進、停止1、2…5秒、停止よし

③ 20mまで上昇して5秒停止「20m上昇、停止1、2…5秒、停止よし

④ 5mまで下降「5m下降、停止

⑤ 20mまで後退して、自動着陸「自動着陸開始。着陸よし

4 「自動離陸開始」「離陸よし

① 機体を20mまで上昇させる「20m上昇よし

② 20m前進して停止「20m前進、停止

③ 左スティックを右に倒して機体を360度右回転させる「右360度旋回よし

④ スティックを左に倒して機体を360度左回転させる「左360度旋回よし

⑤ ゴーホーム機能を使つて自動帰還させる「自動帰還開始、着陸よし

5 「自動離陸開始」「離陸よし

① 機体を5mまで上昇させる「5m上昇よし

② 10m前進して停止「10m前進、停止

③ 左スティックを右または左に倒して機体を180度右回転させる「180度旋回よし

④ スティックを右に倒して機体を10m横移動させる「10m移動よし

※この時、機体は対面となりスティックを倒した方向と逆になるので注意

⑤ スティックを左に倒して機体を20m横移動させる「20m移動よし

※この時、機体は対面となりスティックを倒した方向と逆になるので注意

⑥ スティックを右に倒して機体を10m横移動させる「10m移動よし

⑦ ゴーホーム機能を使つて自動帰還させる「自動帰還開始、着陸よし

2人1組なので交代して再度行う。

※注意事項

・基本的に雨天時の点検は行わない。

・撤収前に必ずバッテリー充電すること。

・点検表に点検者は押印すること。

画像

大曲仙北広域市町村圏組合消防本部災害対策用無人航空機(UAV)運用規程

平成28年4月1日 訓令第6号

(平成28年4月1日施行)